日本東レ，ナノスケールの連続穴構造を持つ多孔質炭素繊維を開発

日本織物メーカーの東レグループは、世界初のナノスケールの連続穴構造を持つ多孔質炭素繊維を開発したと発表しました。この繊維を支持層として使うことで、先進膜の重量を軽減し、構造をよりコンパクトにし、性能を向上させます。東レは引き続きこの新材料の研究開発を推進し、炭素循環を促進し、他の会社と協力して水素エネルギーを持続的に開発できるアプリケーションを開発します。

東レによると、いくつかの伝統的なガス吸収施設は分離して二酸化炭素、生物ガス、水素とその他のガスを吸収するので、これらの施設に巨大な空間を占用しなければならなくて、エネルギーを使いすぎて、それによって大量の二酸化炭素を排出します。そこで、膜分離ガスを採用する方法は業界で広く注目されていますが、良好なガス分離性能と耐久性を兼ね備えた膜は今も開発されていません。

今回東レが開発した多孔質炭素繊維は薄くて柔らかいと同時に、化学的安定性と優れた通気性を持つ炭素構造を含んでいます。したがって，この繊維を空気膜の支持材料として用いると，多層を重ねても空気膜はコンパクトで軽量化されたままである。

東レはガス分離の先進膜の商業化のために力を発展させたいと考えています。新開発の多孔質炭繊維を使った先進膜は環境保護型天然ガスの実現、生物ガスの浄化及び水素製造に極めて重要です。多孔質炭素繊維の研究開発において、東レは独自の高分子技術を炭素繊維技術、水処理技術及び分離膜技術と結合し、これらの技術はすでに業界トップの地位にあります。

東レの既存の高分子技術により、均一な連続穴と炭素を持つ多孔質炭素繊維を創造できるようになりました。したがって、ナノスケールの連続穴構造を持つ多孔質炭素繊維を作るためには、2つの方法があります。1つは多孔質構造の大きさをマイクロメータからナノスケールに調整し、2つは繊維中心に中空繊維状の多孔質炭素繊維を形成する方法です。新しい多孔質炭素繊維は高性能電池における電極材料と触媒担体（他の物質を固定するための基礎物質）に適用されると予想される。

今年の12月に東レは「未来研究開発革新センター」を開設し、さまざまな業種からの学術機関と複数のパートナーと協力することで、同センターはグループのグローバルイノベーション本部となる。今後、東レはガス分離の先進的な膜の商業化を図るため、多方面の協力を求めています。東レは引き続き環境、資源、エネルギー問題を解決する技術の開発に力を入れて、2050年までに低炭素経済を実現したいと考えています。

　　東レについて

東レ株式会社は1926年に設立され、日本の東京に本社を置く。東レグループは世界で有名な有機合成、高分子化学、生物化学を中心とする技術を持つハイテク多国籍企業で、世界19カ国と地域に200社の子会社と関連企業を持っており、2019年3月31日現在の2019年度の売上高は215億ドルを超えています。

東レ（中国）投資有限公司は東レグループが中国でグローバル戦略を発展させる重要な拠点です。東レグループの中国に対する投資総額はすでに25.7億ドルに達しており、傘下には10社余りの企業があり、総従業員数は約10.5万人である。事業分野では基礎的な繊維、プラスチック産業のほか、水処理、複合材料、電子情報材料など新たな事業部門の営業機能を集約しています。