東洋の風情が70年代レトロ感に溶け込む！

YSL 2011早秋シリーズの婦人服は70年代のクラシックなデザインに戻り、優雅な復古味わい。煙管パンツでもプリーツの中スカートでもハイウエストを採用し、ボックスコートやマントコートもウエストラインを高め、同色のベルトやウエストシールで女性のボディラインを強調した。

ふんわりとしたプリントシフォンがレザー、ツイード生地の重厚感を中和し、襟元、腕部の毛皮の装飾が華やかで温かみがあり、曳地ドレスと毛皮の長い手袋の組み合わせは、さらに貴婦人のように高貴で感動的だ。黒い革でできた身だしなみロングスカート、東方チャイナドレスの立襟、斜め襟、皿掛け、東方式の温和さとレザーの硬さが融合し、柔らかさの中に剛さを帯びた洗練された気質を見せ、腰革の上着には日本の着物のデザインからインスピレーションを得ている。

深紅色、松石緑色、翠緑色、金色の運用は、暗い色系の中でさらに目を引く。一方、深紅のマント、緑の傘スカートによる直感的な色彩感覚よりも、暗色のスーツに合わせた深紅のロング手袋、黒のスカートに金色の縁取りなどの細部の方が色彩の巧みな作用を際立たせることができる。