ハイエンド製品の針布業界市場
紡績櫛処理工程で使用される表面が針または歯である各種の櫛処理機はまとめて櫛処理器材と呼ばれ、通称針布と呼ばれる。針布は紡績櫛機の重要な部品であり、金属針布、弾性蓋板針布、弾性帯条を含むニードルクロス、カバーニードル布などを固定する。
針布の性能の優劣は糸形成、網形成の品質に直接影響し、最終的には生地ないし織物の品質にも影響するため、業界内では通常櫛機を紡績工場の「心臓」に例え、肝心な部品の針布を櫛機の「心臓」に例え、針布は織物生産効率と製品品質にとって極めて重要な地位を持っていることがわかる。
一、針布市場の回顧と分析
1980年代以前、国内の針布市場はほとんど海外製品の天下だった。青島紡機工場、上海金属針布工場などのメーカーがスイスGRAF金属針布製造設備、無錫紡織器材工場がGRAF蓋板針布製造設備を導入してから、我が国はやっと自分で生産した針布を持ち始めた。これらのメーカー及び後に針布生産分野に参入したメーカーは、消化導入設備を基礎として、針布製造設備及びプロセスに対して絶えず研究と改善を行い、国産針布製造レベルは比較的に速い向上を得た。
21世紀に入ってから、国内針布市場は紡績業の発展に伴い着実に成長し、国産針布メーカーは自力で発展を加速させ、ハイエンド国産針布の性能は徐々に輸入針布に近づき、国産針布の市場シェアも徐々に向上している。もし前世紀8、90年代の我が国の針布業界が「無から有へ」であれば、新世紀の10年は我が国の針布業製品の品質が着実に向上し、業界規模が健全に発展した10年である。
統計によると、国内針布の売上高は2000年の5億3000万元から2009年の16億8000万元に上昇し、年平均複合成長率は13.8%だった。2010年は紡績業の発展が速い年であり、国内針布市場の売上高は20.5億元に達し、2009年より21%以上増加した。
図1国内針布市場の売上高と成長率
2.国内針布の需要レベルは上昇傾向にある
整理設備の等級及び繊維品種の違いによって、国内市場の習慣では針布を高、中、低の3つの等級に分けている。ハイエンドの針布製品は特殊な針布ワイヤと先進的な技術を用いて製造され、品質が優れ、整理性能がよく、使用寿命が長いなどの特徴があり、高速多収量櫛綿機などはハイエンドの針布を配置する割合が高い、中端針布製品とは、専用の原材料と先進装備を用いて製造されるが、製品の性能において国際先進レベルに達していない針布製品を指す。ローエンド針布製品は普通の線材を原材料とし、製造技術が一般的で、普通のローエンド顧客向けに販売されている製品である。我が国では、ハイエンド製品市場は主に国際的にリードする針布メーカー、例えばGRAF、TCCと日本金井から供給され、国内の個別優秀企業のハイエンド製品が国際一流レベルに近づき始め、一部の代替輸入ができるようになった以外、その他のメーカーは依然として中端及び低端製品の提供を主としている。
近年、紡績企業の技術革新能力の向上に伴い、紡績製品のモデルチェンジが加速し、国内市場のハイエンド針布製品に対する需要は上昇傾向にある。中国綿紡績業界協会の統計によると、清櫛連合機の配備は2004年の紡錘数の37.3%から2009年の46.75%に、精櫛機は2004年の2万台から2009年の3.5万台以上に、精櫛糸の比重は2004年の23.8%から2009年の27.8%に上昇した。このことから、ハイエンド針布の需要比率の上昇は必然的な傾向であることがわかる。初歩的な統計によると、国内市場のハイエンド針布に対する需要は2005年比28%前後、2009年は34%前後で、成長幅は明らかに他のミッドエンドとローエンド製品より高かった。{page_break}
表1国内市場における異なるグレードの針布製品の売上高(億元)
図2国内市場の異なる等級針布の販売占有率の概略図(億元)
3.不織、起毛などの新興分野における針布の応用比重は増加傾向にある
紡績業の発展に伴い、不織布のメッシュ形成や織物のラシャ起毛などへの針布の応用割合は増加したが、綿紡績は依然として針布の最も主要な応用分野である。2005年の綿紡績用針布の総量に占める割合は約73%で、2009年には70%前後に低下した。
表2分野別針布製品使用量統計(億元)
図3分野別針布製品使用量の占める割合概略図(億元)
「第12次5カ年計画」期間中、不紡績、起毛などの分野は比較的速い発展態勢を維持し、成長速度は綿紡績、毛織業界より高くなり、各分野の今後5年間の針布に対する需要の年間成長率は綿紡績9%~ 10%、毛織5%~ 6%、不紡績18%~ 22%、起毛16%~ 20%、その他の分野は10%~ 15%と予想されている。第12次5カ年計画期間中の針布全体の需要量の年間成長速度は10%〜14%であった。
4.国産針布の国際競争力が徐々に強化される
業界専門家の試算によると、2005年の世界針布売上高は約23億5000万元、2009年は31.6億元前後に達し、期間中の年平均複合成長率は7.7%だった。その中で、国内針布市場の販売が世界に占める割合は2005年の42.6%から2009年の53.2%に増加し、国内市場の比較的速い成長は世界成長の重要な推進力である。{page_break}
表3世界の針布売上高(億元)
中国以外の地域では、針布の生産が集中している地域は主にヨーロッパ、インド、日本である。統計によると、我が国の針布生産額の世界における比率は売上高の比率より低く、輸入針布はハイエンド製品を中心としていることを示している。
表4全世界の針布分布区域の生産額(億元)
図4 2009年の世界針布生産額地域分布占有率
2010年の国産針布生産額の世界シェアは2009年の37.4%から39.2%に上昇し、国産針布の国際競争力が向上したことを示した。
二、針布市場の展望
現在、世界経済は緩やかな回復の中にあり、今後5年間で世界の紡績業は4%~ 6%の速度で成長し、世界の針布業の市場規模の成長速度は6%~ 7%に減速する見通しだ。
「第12次5カ年計画」期間中、我が国の国民経済のさらなる発展及び内需市場の発展潜在力の逐次放出は紡績業界に広大な発展空間を提供するだろう。中国紡績工業報告によると、「第12次5カ年計画」期間中、我が国の衣料品消費財小売総額の年平均伸び率は10%前後を維持し、我が国の紡績業の国内販売生産額の伸び率は約15%になると予想されている。そのため、今後5年間の製造業のモデルチェンジとグレードアップを主旋律とする背景の下で、針布の需要は数量とレベルの上で大きな向上があり、国内市場の針布の売上高は10%~ 14%の速度で穏やかに増加すると予想されると同時に、ハイエンド針布の需要はさらに強化され、国内市場の国産針布の販売比重も着実に向上すると予想されている。
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